隣地から越境している樹木の枝の対応策|不動産売却豆知識(第26回)
2024/02/272024/02/27
不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。
本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。
不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第26回!
隣地から自分の敷地内に樹木の枝が越境してきて、落ち葉や敷地内に落ちたり、見栄えが悪くなって困っている方いませんか?
不動産を売却する場合、隣地からの越境物は引渡しまでに解消するよう求められる場合が頻繁にあります。
また、不動産売却する場合においても、隣地から売物件内に樹木の枝が越境していたら印象が悪くなります。
今回は、隣地の樹木の枝が越境している場合の対処法について解説します。
<民法233条の改正>
2021年の民法改正で、隣地からの樹木の枝の越境について条項が新設されました。
民法233条1項
土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
同条3項(新設された条項)
第1項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
1、竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
2、竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
3、急迫の事情があるとき。
民法改正前は、隣地からの樹木の枝の越境については、その樹木の所有者に対して、その枝を切除し越境を解消するよう請求できるのみでした。
民法が改正され、新たに民法233条3項の規定により、期日を定めて枝の切除の催告をしたにもかかわらず、その期日までに枝を切除しなかった場合には、土地の所有者が自ら枝を切り取ることができるようになりました。
また、その樹木の所有者がわからない場合も同様に、土地の所有者による枝の切り取りが可能となりました。
<注意点>
民法の改正により、越境した隣地の樹木の枝も樹木の所有者に催告し、それに従わなかった場合は、伐採できるようになりました。
しかし、一方的な樹木の枝の伐採の催告や催告後の伐採は隣地とのトラブルに発展しかねません。
トラブルに発展しないように、伐採の要請を日頃から行っておくことが重要になるでしょう。
また、隣地の所有者と樹木の所有者が相違する場合も稀にあります。
その場合は、樹木所有者に対して枝の伐採について催告する必要がありますので、注意してください。
<番外:樹木の根の越境は?>
樹木の根の越境については、越境してきた根については催告なく切り取ることが可能です。
民法233条4項に規定されていますので、ご参照ください。
もし、隣地の竹の根が伸びてきてタケノコが生えてきた場合、勝手に取って食べてもいいようです。
民法233条4項
隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、そのねを切り取ることができる。
<まとめ>
民法改正前は、隣地から越境してきた枝については、樹木所有者に切除の要請を行い、切除されない場合は裁判手続き(侵害の排除請求)を行う必要がありました。
民法が改正されたことで、隣地の枝の伐採は容易になりましたが、あくまで隣地所有者(樹木所有者)に枝の伐採を要請し、自ら切っていただければトラブルもなく良いでしょう。
不動産売買時は、越境物があると解消を求められますので、不動産売却をご検討されている方は、前もって隣地所有者の方にご相談されておくことをおすすめします。
直接言いにくい場合は、不動産売却を依頼した不動産会社に間に入っていただくと良いでしょう。
愛媛県内、松山市、東温市、伊予市、伊予郡砥部町、伊予郡松前町の不動産売却をご検討の方は、株式会社ながろ不動産にまずご相談ください。
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<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394
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