セットバックが必要な不動産の売却方法|不動産売却豆知識(第56回)
2024/06/212024/06/21
不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。
本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。
不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第56回!
今回は、前面道路の幅員が4m未満の「セットバックが必要な土地」を売却する場合の注意点を解説します。
<セットバックとは>
建物を建築する場合、道路幅員4m以上の建築基準法上の道路に、2m以上接していなければなりません。
敷地が接する道路が4m未満である場合、道路の中心線から2m後退しなければなりません。
後退した部分には、建築物や塀などを作ることは禁止されています。
自分の敷地なのに、道路の一部として提供しなければならないのです。
ただし、自分の敷地が既に道路中心線から2m後退している場合には、前面道路の幅員が4m未満であっても建物の建築は可能です。
道路中心線を確定する作業が重要となります。
<有効敷地面積をきちんと確認しましょう>
セットバックが必要な不動産を売却する場合には、買主に有効敷地面積を示したうえで売却する必要があります。
有効敷地面積とは、売買対象面積からセットバック面積を引いた面積で、実際に敷地として使用できる面積のことをいいます。
【有効敷地面積=売買対象面積ーセットバック面積】
不動産を売り出す際には、有効敷地面積×坪単価で売出価格を決めましょう。
<松山市の狭あい制度について>
平成20年10月1日から「狭あい道路拡幅事業(狭あい制度)」が始まりました。
松山市の狭あい制度では、松山市道に接した敷地をセットバックした場合、セットバックし道路に提供した土地を松山市に寄附し、松山市に道路の管理を行ってもらう制度です。
道路提供部分を分筆した場合は、すぐに寄附することができますが、道路後退しただけの土地については松山市の予算が付き次第、随時寄附の手続きがされることになります。
また、道路後退が必要な敷地で、建築確認申請が必要な工事(建物の新築等)を行う場合、狭あい道路(幅員4m未満の道路)に関する事前協議(建築確認申請の14日前までに、事前協議申出書を提出)が必要となります。
過去に道路後退をしている場合でも、新たに建築確認申請をする際には境界道路に関する事前協議が必要になる場合もありますので、事前に十分確認する必要があります。
●事前協議は売主負担で!
松山市の不動産取引の慣習として、狭あい道路の事前協議は「売主負担」で事前に済ませておくことが多いです。
事前協議を行うことで、道路の中心線が確定し、有効敷地面積を正確に提示できるため、引渡し後のトラブルを回避することができます。
この事前協議は、土地家屋調査士に依頼しおこなうため、費用と時間はかかりますが、不動産売却を行う場合は早めに行っておくと良いでしょう。
<まとめ>
松山市では、セットバックについてかなり厳格な自治体の一つです。
後々のトラブルを回避するためにも、不動産売却の際には、不動産会社と打ち合わせのうえ、狭あい道路の取り扱いについて明確にしておきましょう。
ながろ不動産では、まず道路の調査を行い、不動産売却の最初の打ち合わせで必要な手続きを提案させていただいております。
愛媛県内、松山市、東温市、伊予市、伊予郡砥部町、伊予郡松前町の不動産売却、不動産全般のご相談などはお任せください。
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<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394
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