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老朽化している借家の賃貸借契約を終了できるか|不動産売却豆知識(第66回)

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老朽化している借家の賃貸借契約を終了できるか|不動産売却豆知識(第66回)

老朽化している借家の賃貸借契約を終了できるか|不動産売却豆知識(第66回)

2024/11/232024/11/23

不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。

本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。

不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第66回!

 

今回は、借家が老朽化していることを理由に、「賃借人との賃貸借契約を終了できるか」を解説します。

 

<借家のまま売却は可能か?>

 

借家のまま不動産を売却することは可能です。

ただし、借家のまま売却する場合、「収益物件」として売却することになります。

収益物件の場合、一般的な不動産査定と異なり、主に「収益還元法」にて査定を行います。

収益還元法の場合、現在の賃貸借契約の収入家賃をもとに算出するため、築年数が経過し周辺相場より安く貸し出している不動産などは、一般的な不動産の価格よりも大きく下がる場合があります。

 

そのため、一戸建てや築年数が経過しているアパートなどは、賃借人との賃貸借契約を終了させ不動産売却を行った方が高く売却することができるのです。

 

<賃貸借契約は売主の都合で解約できるのか>

 

定期借家契約と普通借家契約の場合で異なります。

 

【定期借家契約の場合】

貸主には、借主に対し、期間満了により定期借家契約が終了する旨を通知する義務があります。

貸主からの終了通知は、契約期間満了の1年前から6ヶ月前までに行う必要があります。

終了通知を行うことで、契約期間満了をもって賃貸借契約を終了することができます。

 

ただし、原則、契約期間の途中で定期借家契約を終了することはできません。

 

【普通借家契約の場合】

普通借家契約の場合、多くが契約期間2年と設定されています。

その契約期間満了の1年から6ヶ月前までの間に、賃借人に対し、期間満了に伴い賃貸借契約を終了する旨通知する必要があります。

この終了通知に借主が応じなかった場合は、貸主は建物明渡訴訟を提起することとなります。(※借主はこの終了通知に応じる必要はない)

普通借家契約の貸主からの契約終了には「正当な事由」が必要と規定されており、「正当な事由」が認められなければ、建物明渡訴訟で建物の明け渡しが認められることはありません。

 

◎定期借家契約とは

定期借家契約とは、契約期間を契約時にあらかじめ設定される賃貸借契約のことをいいます。

契約の更新が行われない契約のため、契約期間が満了すると借主は退去しなくてはなりません。

ただし、貸主と貸主双方の合意があれば、期間満了後の再契約は可能です。

再契約の際に、契約期間の定めを行わなかった場合には、普通借家契約になります。

 

定期借家契約は、一時的な不在時に自宅を貸し出す場合などに用いられることが多く、期間の定めがあるため、普通借家契約と比べると割安な家賃に設定されます。

 

◎普通借家契約とは

一般的な借家の契約は、「普通借家契約」です。

普通借家契約とは、契約期間が満了した場合でも、借主が契約継続を希望した場合、賃貸借契約を更新することができます。

貸主からの契約満了は、「正当な事由」がなければ行うことができません。

 

<普通借家契約の「正当な事由」とは?>

普通借家契約を貸主の都合で賃貸借契約を終了するには、「正当な事由」が必要です。

この「正当な事由」が認められるか否かが、普通借家契約の契約を終了できるかのポイントです。

 

借地借家法28条にて「正当な事由」が規定されています。

①建物の貸主の事情

②建物の借主の事情

③建物の賃貸借に関する従前の経過

④建物の利用状況

⑤建物の現況

⑥建物の明渡しと引き換えに建物の賃借人に対して財産上の給付を申し出たか否か

 

①から⑤の要件を総合的に判断し、「正当な事由」が認められるか否か判断されます。

 

<建物の老朽化は「正当な事由」となるか?>

 

建物の老朽化については、正当事由①貸主の事情、⑤建物の現況、⑥建物の明渡しと引き換えに建物の賃借人に対して財産上の給付を申し出たか否かが総合的に判断されます。

 

建物が老朽化している場合や、耐震基準に適合していない場合であっても、原則は貸主によって修繕や耐震化工事を行う義務があるとされており、当該工事が可能である場合においては、正当事由と認められないとする傾向があります。

しかし、修繕や耐震化工事が建物を新築する場合と同程度の費用がかかる場合には、これを正当な事由と認めるとの判断をした判例もあります。

 

 

<まとめ>

借家が老朽化していることを理由に、「賃借人との賃貸借契約を終了できるか」については、様々な状況を総合的みて判断されます。

貸主の都合で建物明渡訴訟を行う場合、「正当な事由」が認められるハードルは非常に高く、貸主が支払う立退料も多額に設定される傾向にあります。

貸主から賃貸借契約を終了させたい場合は、建物明渡訴訟に移る前に、前もって期間を長めにとり(1年程度)、十分な立退料を提示した上で、任意で立ち退いてもらえる努力をすることが重要となるでしょう。

 

 

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<この記事の執筆者>

株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号

代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)

宅地建物取引士

行政書士(愛媛県行政書士会所属)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

不動産業界歴10年以上

電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394


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