都市計画道路予定地の不動産は売却できるのか?|不動産売却豆知識(第67回)
2024/11/302024/11/30
不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。
本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。
不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第67回!
今回は、「都市計画道路予定地の不動産は売却できるのか」について解説します。
<都市計画道路とは?>
都市計画道路とは、機能的な都市活動が確保されるよう、都市の基盤施設として都市計画法に基づいてつくられる道路のことをいいます。
都市計画道路は、計画決定後から事業認可まで数年かかることもあり、実際に土地が収用がされるまでかなりの年月がかかる場合が一般的です。
また、計画決定から長年経過しているにもかかわらず、工事自体が具体化していない場合も数多く散見されます。
都市計画で、都市計画道路の整備予定地として指定されると「都市計画道路予定地」となります。
<都市計画道路の具体例(松山市)>
松山市で指定されている都市計画道路の代表例として、松山外環状道路があります。
松山外環状道路は、国道33号線から松山空港線までを結ぶ計画が事業承認・認可が平成21年11月24日付でされ、令和6年2月24日に余戸南インターから東垣生インターまでの2.4キロが延長されました。
また、松山外環状道路インター東線は、国道33号線(松山インター)から国道11号線(来住町)までの道路を計画されています。
インター東線については、平成3年3月に都市計画決定(平成15年9月に都市計画変更)されていますが、令和4年2月15日付けでやっと事業承認・認可が告示され、現在は用地買収が進められています。
この事例からもわかるように、都市計画道路は計画決定されてから、具体的に用地買収・工事開始まで長期にわたります。
<都市計画道路予定地は売却できるのか>
都市計画道路の計画決定がされ、都市計画道路予定地に指定された不動産は売却できるのでしょうか。
都市計画道路予定地の売却は、都市計画決定の段階と、事業承認・認可がされた段階で大きく変わってきます。
◎都市計画決定の段階
将来、道路予定地に指定された対象地が道路になる可能性があるものの、用地収用の時期や工事開始の時期など詳細が決まっていない状態。
長年経過しても、工事自体が全く具体化していないケースも珍しくありません。
土地の収用時期なども一切決まっていないため、道路予定地に指定されている不動産についても、売却の制限はありません。
◎事業承認・認可がされた段階
都市計画道路の事業が承認・認可され、公告された場合、公告の日の翌日から10日を経過した後に、都市計画事業地内の不動産を売却しようとする者は、当該不動産について、その売却予定額、不動産の買主など国土交通省令で定める事項を書面で事業施行者に届け出なければなりません。
この届出があった後30日以内に、事業施行者が届出をした者に対し、届出に係る不動産を買い取るべき旨の通知をしたときは、当該不動産について、事業施行者と届出をした者との間に届出書に記載された売却予定額に相当する代金で、売買が成立したものとみなされます。(都市計画法67条)
上記記載の通り、都市計画法67条で事業認可の公告翌日から10日経過後からは、事業地内の不動産については売却が大きく制限されます。
事業を進めるための用地収用が始まるため、不動産売買に制限を設けているのです。
事業承認・認可がされた都市計画法道路については、一般的な不動産の売却はできないと考えた方がよいでしょう。
<都市計画決定段階の不動産の売却方法>
都市計画決定段階の不動産については、不動産売却の制限は特にありません。
自由に買主を探し、不動産を売却することができます。
ただし、以下の点は十分説明するようにしましょう。
1.都市計画の最新の進捗状況
2.建物を建築する際の制限
3.将来、立ち退きを求められる可能性がある点
上記3点については、必ず買主に説明し慎重に購入の可否を検討してもらいましょう。
説明不足が生じた場合、売主の契約不適合責任を問われる可能性もありますので、重要事項説明書や不動産売買契約書には、必ず説明文を記載するようにしましょう。
売主の契約不適合責任については、「不動産売却時の売主の契約不適合責任とは?」にて解説しておりますので、あわせてご参照ください。
<都市計画区域で建築が可能な建築物とは>
都市計画決定段階の不動産には、制限はあるものの建築物を建築することができます。
ただし、都道府県知事または市町村長の許可が必要です。
◎建築できる建築物
階数が二階以下、かつ地階を有しない。
所要構造部が、木造・鉄骨造・コンクリートブロック造その他これらに類する構造物であること。
<まとめ>
都市計画道路予定地は、計画決定から事業の認可まで長期間不安定な状態になりますが、決して不動産売却ができないわけではありません。
都市計画区域内の不動産について、ご質問やご負担な点などございましたら、「ながろ不動産」までお気軽にお問い合わせください。
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<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
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