不動産売却した年の固定資産税は誰が払う?|不動産売却豆知識(第1回)
2023/12/112024/06/18
不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。
本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。
不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第1回!
「不動産売却の際の固定資産税の取り扱い」をテーマに解説します。
不動産を売却した時、その年の固定資産税は売主が払うのか、買主が払うのか?
今回は、不動産売却時の固定資産税の取り扱いについて、解説いたします。
<固定資産税とは?納税義務者は?>
固定資産税とは、その年の1月1日時点で、土地や戸建て、マンションを所有している人に、その資産価値に応じて算定される地方税です。
年の途中に不動産を売却した場合でも、1月1日時点で不動産を所有していた売主が納税義務者となるのです。しかし、売主が所有権のない期間分も、固定資産税を払わなければならないのは公平とは言えません。
そこで、一般的には不動産売買時に、買主から売主に精算金を支払うことにしています。
<固定資産税の精算方法>
固定資産税を精算するには、固定資産税の起算日を設定する必要があります。
起算日をいつに設定するかは、地域によって異なります。
東京都や松山市:1月1日 関西地方:4月1日
松山市の多くの不動産会社は、1月1日を起算日として設定しますが、不動産会社で取り扱いが変わる場合もありますので、「起算日はいつなのか」事前に確認しておきましょう。
起算日が決まれば、所有権移転日からを買主負担分として日割り計算で精算します。
実際、日割り計算をしてみましょう。
<松山市で7月1日に所有権移転した場合>
固定資産税額:100,000円 起算日:1月1日
売主負担分:100,000円×181日/365日=49,589円
(1月1日から6月30日までの181日分)
買主負担分:100,000円×184日/365日=50,411円
(7月1日から12月31日までの184日分)
買主負担分が精算分となりますので、50,411円が買主から売主へ精算金として支払われます。
<1月から3月の間の取引には注意が必要!>
固定資産税の納税義務者は1月1日時点の所有者ですが、行政から納税通知書が届くのは4月以降になるため、1月から納税通知書が届くまでの精算には注意が必要になります。
1月起算日で精算する場合は、前年度分の固定資産税額で精算をする場合と、納税通知書が売主に届いた時点で精算する場合があります。
4月1日起算日の場合は、売主に届くその年の納税通知書記載の固定資産税は、買主が全額支払う必要があります。
<例:令和5年2月1日に所有権移転した場合>
◎起算日1月1日の場合
売主負担分:令和5年1月1日から1月31日までの31日分
買主負担分:令和5年2月1日から12月31日までの334日分
土地や築年数が経過した戸建ての場合、固定資産税額の増減が少ないことから、前年度の固定資産税額にて日割り計算をすることが多くなります。
ただし、前年に建物を解体し、1月1日時点は更地になっている場合など、固定資産税額が大きく増額する場合などは、4月以降に納税通知書が届いてから固定資産税の精算を行うと良いでしょう。
◎起算日4月1日の場合
売主負担分:令和4年4月1日から令和5年1月31日までの306日分
買主負担分:令和5年2月1日から令和5年3月31日までの59日分
4月1日以降分については、1月1日時点で所有者の売主に納税通知書が届きますので、どのように精算するか、不動産取引時に双方できちんと確認しておく必要があります。
<まとめ>
今回は、不動産売却における固定資産税の取り扱いについて、解説いたしました。
地域性や不動産会社によって、起算日や精算方法が異なる場合がありますので、事前にしっかり確認しておきましょう。
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<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394
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