更地で売却する?解体する?空き家を売る前に知るべきこと
2024/01/042024/01/04
古くなった住宅(空き家)を売却しようとした時、建物を解体し売却するべきか、そのまま建物を残して売却するべきか悩んでる方はいませんか?
そのような方に向け、それぞれのメリット、デメリット、注意点を解説します。
誰も住んでいない実家を相続し、いつか売却しようと思って空き家のまま放置していると老朽化が進みます。このような老朽化が進んだ建物は、住宅用の戸建てとしての売却は困難です。
また、昭和56年6月以前の旧耐震の住宅についても、住宅ローン控除が受けられなかったり、耐震工事など多額の費用がかかることから、戸建てとしての売却は困難と言えます。
戸建てとしての不動産売却が困難な場合、「古家付き土地」や「上物付き土地」として売却されたり、解体し更地として売却されます。
<古家付き土地(上物付き土地)とは>
古家付き土地とは、中古住宅として使用する建物が残っている土地のことをいいます。
一般的には、建物の解体費用を考慮し、通常の相場価格より安く販売されています。
<古家付き土地で売り出すメリット>
・固定資産税の軽減を受けたまま売却できる。
不動産売却は、長期に亘る場合があります。
建物を残したまま売却することにより、固定資産税の住宅用地の軽減を受けたまま売却をすることができます。
・建物を解体する手間が掛からない。
建物の解体を買主の負担にするため、建物の解体の手間を考えず売却できます。
・建物として売却も可能な場合がある。
リノベーションやリフォームをして使用可能な建物であれば、中古戸建としても買い手が付く可能性もあります。
最近は、古くなった建物を買い取り、リフォームをした後、再販する不動産会社も増えてきました。
そういった買取業者に売却することもできるかもしれません。
立地が良い場合や大手ハウスメーカーの建物である場合など、古家付き土地とあわせて中古住宅としても売り出してもいいかもしれません。
<古家付き土地で売り出すデメリット>
・建物や敷地の管理状況では、買い手がなかなか付かないことも。
建物や敷地内の草木などの管理がされておらず、荒れ放題の場合など、購入検討者に敬遠される場合が多く、売却まで長期化する可能性があります。
・建物の契約不適合責任を負う場合も。
2021年4月1日より、建物の解体時には、アスベストの含有調査が必須となりました。
買主が建物解体行う場合、アスベスト調査の結果によってはアスベスト撤去については契約不適合責任を負う可能性があります。
また、地中埋設物についても契約不適合責任を負う可能性があるでしょう。
不動産売買契約にて、アスベスト含有についてや地中埋設物について、契約不適合責任免責の特約をすることは可能ですが、その場合は買主にリスクを負わせることになるため成約価格に影響を与えます。
<更地で売り出すメリット>
・買い手がつきやすい。
更地の場合、買主の建物建築のイメージが付きやすく、またすぐに新築工事に着工できることから買い手が見つかりやすくなります。
買い手が見つかりやすいということは、相場より高く売れる可能性もあります。
また、相続した空き家の売却時の3000万円の特別控除を受ける場合は、相続後3年との期限があるため、売主の負担で更地にし売却のスケジュールを立てる必要があるでしょう。
相続空き家の3,000万円の特別控除については、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除が拡充されます!|空き家管理をご参照ください。
<更地で売り出すデメリット>
・解体費の持ち出しが必要になる。
建物を解体するには、解体費が必要になります。
一般的な木造住宅(30坪)の場合、100万円から150万円ほどの解体費が必要になります。
解体費については、解体工事後に一括にて支払う必要があり、まとまった資金が必要になります。
・固定資産税の軽減を受けられない場合がある。
更地にした後、買い手が見つからず売却が長引いた場合、固定資産税の住宅用地の軽減が受けられず固定資産税の負担が上がります。
固定資産税は、1月1日の状態で決定されるため、解体の時期を調整するなど対策する必要があるでしょう。
<更地解体渡しで売りに出す>
売出開始時に、購入者が決まれば、「売主にて解体し更地にて引き渡す」と予め決めて売りに出す方法です。
解体工事は、不動産売買契約後に開始するため、土地の売買代金から解体費の支払いをすることができます。
また、不動産売却が長期化した場合にも、固定資産税の住宅用地の軽減を引き続き受けることができます。
◎注意点
建物解体時のアスベスト含有調査でアスベスト含有が発見された場合、解体費が多額になる場合があります。
解体費が多額になった場合、売買契約を解除できるなど特約を入れておくなど対策が必要になります。
<まとめ>
土地の売却として考えた場合、更地にて売却する方が高く売れる可能性も早く売れる可能性もあります。
ただし、解体するには費用やそれに伴うリスクもあります。
木造の建物の場合、法定耐用年数は22年ですが、不動産売却の場合、築22年経過した建物が全て価値が0になる訳ではありません。
建物が適切にメンテナンスされていたり、設備の更新がされている場合には、築22年を経過していても中古住宅として売却可能な場合も多くあります。
不動産会社に更地にしての売却を提案されてとしても、不安に思う場合は他の不動産会社にも相談してみましょう。
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<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394
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