不動産売却時に境界確定測量は必要?いつ実施する?|不動産売却豆知識(第20回)
2024/02/052024/02/19
不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。
本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。
不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第20回!
「境界確定測量」をテーマに、不動産売却時の境界確定測量について解説します。
土地や一戸建ての不動産を売却する場合、「境界確定測量」を実施するか、売主は検討しなければなりません。
境界確定測量とは、土地家屋調査士に依頼し、全ての隣接地所有者の立ち会いの下、境界点を確認し、確定した境界を基に測量をするものです。
売主にとって、費用も時間もかかる境界確定測量は避けたいところですが、境界確定測量が必要な物件、した方が良い物件もあります。
<境界確定測量の流れ>
1.全ての隣地所有者と境界の立ち会い確認を行う。
対象不動産に接する全ての隣地所有者と立ち会う必要があります。
公道や河川に接している場合は、行政とも立ち会うを行う必要があり、水路に接している場合には、土地改良区や水利組合との立ち会いが必要になります。
行政との立ち会いが必要な場合、日程調整に時間がかかり、1か月以上立ち会いまでかかる場合もありますので、注意が必要です。
2.境界立会確認書に署名、捺印を行う。
売主とその土地の全ての隣地所有者が立ち会った証として、土地家屋調査士が作成した境界立会確認書に立会者が署名、捺印を行います。
3.境界標を設置する。
境界立会確認書に記載された境界に境界標を設置します。
境界標は、コンクリート杭や金属プレート、境界鋲などその土地に応じた物が用いられます。
4.確定測量図を作成する。
全ての隣地所有者と立ち会いのもと確認した境界に従って測量した図面です。
確定測量図には、署名、捺印された境界立会確認書が添付されます。
<境界確定測量にかかる費用は?>
土地家屋調査士に依頼する確定測量は、土地の大きさや立ち会いが必要な隣地所有者の人数や、行政や土地改良区などの立ち会いが必要かなど、不動産ごとに費用は変わります。
平均的な場合、40万から50万円。
土地面積が大きく隣接地所有者が多い場合は、100万円を超えることもあります。
確定測量が必要な場合は、売却開始前に土地家屋調査士に見積もりを依頼しましょう。
<境界確定測量に必要な期間は?>
境界確定測量は、全ての隣地所有者と立ち会いが必要なため、立ち会いを調整するために時間がかかります。
境界確定測量に必要な期間は、2~3か月が目安です。
行政の立ち会いが必要な場合、立ち会いまでに時間がかかることが多いので注意が必要です。
境界確定測量には、数か月かかりますので、計画的に実施するようにしましょう。
<境界確定が必要な場合とは?>
◎登記簿記載面積と現況面積が違う場合
◎地籍更正登記が必要な場合
土地や戸建てを売却する場合、土地の面積は登記簿記載面積を基に売却します。
しかし、かなり昔に測量された場合、現在の測量技術で測量した面積と大きく相違する場合があり、境界確定測量を行い正確な面積を出す必要があります。
また、対象地が「残地」として面積が算出されている場合は、登記簿記載面積と現況が大きく相違する場合が多く、境界確定測量が必要になるでしょう。
「残地」とは、古い測量図に用いられており、分筆登記をする際に一方の土地をしっかり測量し面積を出し、片方の面積は元の面積から引くことで求められた土地のことを言います。
元の面積もかなり昔に測量された面積で、そこから現在の測量技術と比較すると正確でない測量技術で測られた面積を引いて出された面積が正確なはずがありませんよね?
過去に、現況面積は40坪以上あるのに、残地で求積された登記簿記載面積が10坪といったケースもありました。
登記簿記載面積が現況と大きく相違している場合は、境界確定測量後に地籍更正登記を行い登記簿記載面積を正確な面積に訂正する必要があります。
◎分筆をおこなう必要がある場合
地域によって、流通しやすい土地面積があります。
松山市内の場合、敷地面積が35坪から40坪の土地が流通しやすく、70坪以上の土地は宅地分譲業者や建売業者へ売却した方が売却金額が高くなる場合があります。
大きな土地を分筆し再販することを目的とする買主に売却する場合、境界確定測量が必要になります。
分筆登記をするには、境界確定測量をされていることが必須条件だからです。
<境界確定測量はいつ実施すべきか>
境界確定測量は、不動産売り出し前か、売り出し後できるだけ早く行いましょう。
境界確定測量は、数か月かかります。
また、隣地所有者の協力も必要となり、いざ立ち会いを行うと境界で揉めて不調に終わったり、隣地所有者が不明で立ち会いすらできないケースもあります。
売買契約後に測量を行う場合は、契約から引渡しまでの期間が長くなり、境界確定測量が不調に終わった場合は契約自体が白紙解除になります。
境界確定測量が必要な場合は、できるだけ早めに土地家屋調査士に依頼し、測量を開始しましょう。
<まとめ>
境界確定測量は、売主にとって費用と期間が負担となる作業ですが、上でも解説したように、必ず境界確定測量が不動産売却時に必要な場合もあります。
不測な事態も起こりますので、境界確定測量が必要な場合は、早めに行うようにしましょう。
また、境界確定測量が必要でない場合でも、隣接地との境界が明確でない場合は境界確定測量を行うことで買主も安心して不動産を購入することができます。
境界が曖昧は土地については、早めに境界確定測量をしておくと良いでしょう。
境界、筆界については、「境界、筆界とは?」にて解説しております。こちらもご参照ください。
株式会社ながろ不動産では、不動産売却のご依頼をいただいた不動産が境界確定測量が必要な場合、信頼できる土地家屋調査士をご紹介し、私自身も全ての立ち会い時に同席し境界の確認をしております。
松山市、東温市、伊予市、伊予郡砥部町、伊予郡松前町の不動産売却をご検討の方、空き家管理でお困りの方は、「ながろ不動産お問い合わせフォーム」よりお問合せください。
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<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394
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