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不動産売却を難しくする共有名義|相続登記義務化で増えるリスク

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不動産売却を難しくする共有名義|相続登記義務化で増えるリスク

不動産売却を難しくする共有名義|相続登記義務化で増えるリスク

2024/02/08

令和6年4月1日に不動産の相続登記が義務化されます。

相続登記義務化については、「不動産の相続登記が義務化されます!早めの対策を!」にて解説しておりますので、ご参照ください。

相続を知ってから3年以内に相続登記をする必要があり、複数の相続人がいる場合、遺産分割協議を行わず法定相続分での共有名義での相続登記が増加するのではないかと懸念しています。

不動産を共有名義にすることは、のちのち共有者間で揉め事が起こるリスクがあります。

不動産を共有名義にすることのリスクを解説いたします。

 

<不動産の共有持分とは>

 

不動産の共有とは、1つの不動産を複数人が所有し、それぞれの所有者が持っている所有権の持分割合のことをいいます。

 

◎例

Aが亡くなり相続が発生しました。

Aには、妻Bと二人の子供C,Dがいました。

Aは遺言を残しておらず、遺産分割協議も行わず法定相続分に従い相続登記を行いました。

この場合の相続登記後の持ち分は、「B:1/2、C:1/4、D:1/4」となります。

 

<共有不動産の使用について>

 

共有物(共有する不動産)の使用については、民法249条にて規定されています。

 

民法249条

1項

各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

1項の解説

1つの不動産を共有者全員が、持ち分に応じて「全部」を使用することができます。

例えば、不動産を1/2所有している人は、不動産の1/2しか使用できないというわけではなく、不動産の全部を使用できるのです。

「持分に応じて」については、2項の解説で説明します。

 

2項

共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持ち分を超える使用の対価を償還する義務を負う。

2項の解説

共有者が、共有物の持ち分を超える使用を行った場合、その持分を超えた使用の対価を他の共有者に支払う義務を負うことになります。

例えば、AとBは1/2ずつ不動産を共有していますが、その不動産にはAのみ居住しております。

BがAに対し、持ち分に応じた家賃を請求した場合、Aはその不動産の家賃相当額の1/2については持ち分を超えた使用にあたり、Bに支払う義務があります。

 

3項

共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物を使用しなければならない。

3項の解説

共有者が共有物を使用する際、善管注意義務が課せられます。

善管注意義務とは、一般的、客観的に要求される程度の注意をしなければならないという注意義務をいいます。

たとえば、共有する不動産を使用する共有者の不注意などで、建物を滅失、毀損してしまった場合、他の共有者は、善管注意義務の債務不履行に基づき損害賠償請求を行うことができます。

 

<共有不動産を売却するには>

 

◎不動産全体を売却する。

共有不動産全体を売却するには、共有者全員の同意が必要になります。

売却後は、売却代金を持分割合に応じて分割します。

 

◎自分の持分のみを売却する。

共有不動産の自己の持分については、自由に売却することができます。

その際、他の共有者の同意は必要ありません。

他の共有者に売却することも可能ですし、全く関係のない赤の他人に持分を売却することもできます。

 

<共有名義にするリスク>

 

◎共有不動産全体の売却には全員の同意が必要になる。

不動産全体を売却するには、共有者全員の同意が必要になり、1人でも共有者が反対した場合、売却することができません。

持分が1/100の共有者が反対したとしても、共有不動産の売却ができなくなるのです。

また、共有者の反対以外にも、共有不動産が売却できなくなるリスクがあります。

それは、共有者が認知症など意思能力のない状態になってしまったり、行方不明になってしまう場合、売却の意思確認ができず、手続きが困難になってきます。

 

◎共有者に相続が発生し、共有状態が細分化される。

不動産の共有を長期間維持していた場合、共有者の相続が繰り返され、共有不動産の共有者が増え続けます。

共有者に相続があった場合、疎遠な共有者も多く、意思統一がより困難になります。

 

◎使用している共有者は、使用料を請求されるかも。

相続などで共有名義となった不動産の場合、使用している共有者は使用料を請求される場合があるかもしれません。

 

【紛争例】

兄A、弟Bは、それぞれ1/2ずつの共有で不動産を相続したが、その不動産には相続発生前から兄Aが住んでいた。

相続当時は、兄弟も仲が良く兄Aが無料で住み続けることに、弟Bも異論はなかった。

しかし、数年が経過したあるとき、弟Bはまとまったお金が必要になり、兄Aに不動産の売却を提案した。

兄Aは、居住中の不動産のため、もちろん反対した。

すると、弟Bは自己の持分の買取か、自己の持分に応じた家賃の支払いを要求し、両者は真っ向から対立してしまった。

 

<まとめ>

不動産の共有は、一時的には良いかもしれませんが、長期間になると共有者の事情も変わったり、相続などで共有者も増え、処分などの意思統一が困難になるリスクがあります。

放置されている空き家の中には、数十年前の相続登記を行わず放置しており、法定相続人の相続が起きるたびに所有者が増え続け、所有者が30人を超え、空き家の解体もできないといったケースもあります。

相続の際、不動産は、預貯金などの金融財産と比べると、管理や所有し続けるのにも費用がかかったり、現金化するにも費用や手間がかかったりと後回りにされがちです。

相続する不動産については、様々なリスクがあるので共有名義にせずに単独名義にした方がいいでしょう。

今後、相続人の誰も使用する予定のない不動産で、相続財産の不動産が占める割合が大きい場合などは、遺産分割協議の段階で売却を決めてしまい、早期に売却をした方がいいかもしれません。

 

共有不動産の売却や、不動産相続について、ご相談、ご質問等ございましたら、お気軽にお問合せください。

松山市、東温市、伊予市、伊予郡砥部町、伊予郡松前町、その他愛媛県内の不動産については、無料査定で不動産査定を行っております。

また、行政書士として相続相談も承っております。

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<この記事の執筆者>

株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号

代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)

宅地建物取引士

行政書士(愛媛県行政書士会所属)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

不動産業界歴10年以上

電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394


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