相続した不動産の売却に必要な手続きとは(遺産分割協議編)|不動産売却豆知識(第21回)
2024/02/102024/02/10
不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。
本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。
不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第21回!
令和6年4月1日より相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内の相続登記が義務となり、相続した不動産の所有者が明確になることにより、相続した不動産を売却する方が増加すると予想されています。
相続登記の義務化については、「不動産の相続登記が義務化されます!早めの対策を!」で解説しておりますので、ご参照ください。
今回は、相続後、遺産分割協議を行い相続した不動産を売却するには、どのような手続きが必要なのか解説します。
また、不動産を売却できるタイミングも解説しております。
<サンプルケース>
母が亡くなり、遺言はありませんでした。
父は、母より先に他界しており、子はAとBの二人。
母の財産は、不動産と預貯金(2,000万円)でした。
話し合いの結果、Aが不動産をBが預貯金を相続することになりました。
Aは、相続後に不動産の売却を考えています。
Aが不動産を売却するには、どのような手続きが必要でしょうか。
<まず法定相続人を特定させる>
亡母の出生から死亡までの全ての戸籍謄本を取得することで、法定相続人を特定することができます。
婚姻などにより、戸籍が編製されている場合は、古い戸籍に遡って取得する必要があります。
また、本籍を転籍している場合には、それぞれの市区町村に戸籍を請求する必要があり、相続人ごとに必要な戸籍謄本の枚数は変わります。
<遺産分割協議書を作成する>
遺産分割協議書の作成者は、法定相続人「全員」(相続放棄した相続人は除く)です。
そのため、遺産分割協議書には、法定相続人全員が署名・捺印(実印)する必要があります。
1人でも欠けた場合、遺産分割協議書は無効となりますので注意してください。
なお、遺産分割協議書を作成する際に、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明書が必要になります。
サンプルケースの場合では、遺産分割協議書にはA,B両者の署名・捺印(実印)が必要となり、内容としては不動産はA、預貯金はBが相続する旨記載します。
<相続登記をする>
相続登記の申請人は、遺産分割協議書で不動産を相続すると決まった相続人です。
サンプルケースの場合は、Aが相続登記の申請人となります。
相続登記の申請時に必要な物は下記の通りです。
1.法定相続人を特定させる際に準備した被相続人の生前から死亡までの戸籍
2.遺産分割協議書
3.遺産分割協議書作成の当事者である法定相続人全員の戸籍
4.相続登記申請者(不動産を相続する相続人)の住民票
5.法定相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に綴じこんだものでよい)
6.相続関係説明図
7.固定資産税評価証明書
相続登記については、司法書士に依頼することをおすすめいたします。
<どのタイミングから不動産売却できるのか>
不動産の売却を開始するタイミングとしては、相続登記完了後が望ましいです。
不動産会社によっては、遺産分割協議前から不動産売却を開始できると説明している場合もあるようですが、最低でも遺産分割協議書作成が完了してからではないと不動産の売却を開始することはできないでしょう。
不動産売却を依頼された不動産会社は、まず真の所有者が誰であるか、全部事項証明書(登記簿)にて確認します。
相続登記完了していなければ、全部事項証明書を確認しただけでは真の所有者がわかりません。
遺産分割協議書の作成が終わっていれば、遺産分割協議書を確認することで真の所有者を確認することができます。
遺産分割協議が終わっていない段階では、相続人の誰が所有者になるか不動産会社は知りようがなく、売却を開始することはできないのです。
<まとめ>
不動産の登記は、実態に即していなければなりません。
その為、相続した不動産を売却する場合は、必ず相続登記が必要になります。
遺言がない、法定相続分通りの相続を行わない場合などは、遺産分割協議書の作成が必要となります。
不動産登記完了までは、戸籍関係書類の収集や遺産分割協議など時間がかかりますので、相続された不動産の売却をご検討されている方は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
株式会社ながろ不動産では、行政書士による遺産分割協議書の作成から不動産売却まで、幅広く相続不動産売却のお手伝いをさせていただいております。
また、不動産売却の他にも不動産を活用した資産運用相談(賃貸物件、月極駐車場など)、松山市・東温市・伊予市・伊予郡砥部町・伊予郡松前町においては、月額100円で空き家管理サービスも提供しております。
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<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394
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