できるだけ避けたい不動産競売とは?|不動産売却豆知識(第39回)
2024/04/112024/04/18
不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。
本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。
不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第39回!
今回は、住宅ローンなどの返済が難しくなった場合などに行われる「不動産の競売」について解説していきます。
<競売とは>
不動産の競売とは、住宅ローンなどの不動産を担保にした借入金などの返済が滞った際に、債権者の申し立てにより、裁判所の権限で担保になっている不動産を差し押さえ、強制的に不動産を売却し、その代金から債権を回収することをいいます。
競売における一連の流れは、裁判所により強制的に行われ、債務者や不動産の所有者の意思は一切考慮されません。
不動産の所有者が、不動産の価格を設定することも許されず、入札最低価格が設定され、購入希望者がそれぞれに購入希望金額を入札し、最高価格で入札した購入希望者が買主となることができます。
<競売の流れ>
1.一括返済を請求される。
ローンの返済が一定期間滞ると、債務者は期限の利益を喪失します。
期限の利益とは、債務者が分割して借入金を返済する権利のことをいいます。
債務者が期限の利益を喪失すると、債権者に一括返済を求められます。
一括返済ができない場合、債権者は裁判所に競売の申し立てを行い、競売手続きに入ります。
2.競売開始
競売の申し立てを受けた裁判所は、申し立てが適法に行われていると認められると、「不動産執行を始める旨」および「目的不動産を差し押さえる旨」を宣言する開始決定を行います。
開始決定が行われると、目的不動産は差し押さえられ、登記簿にも「差押の登記」が嘱託で登記されます。
債務者と不動産の所有者には、競売が開始されたことを通知する「競売開始決定の通知」が郵送されます。
3.現況調査
競売開始決定の通知の到着後、約1か月後に「不動産の現況調査」についての通知が届きます。
不動産の現況調査とは、裁判所の執行官と不動産鑑定士による目的不動産(競売不動産)の調査のことをいいます。
この不動産の現況調査は、拒否することができません。
4.配当要求終期の公告
配当要求終期の公告とは、債務者の不動産が競売にかけられることを他の債権者にも知らせる手続きです。
これにより、裁判所に競売予定不動産の資料が、誰にでも見れる形で公開されます。
5.競売期間入札通知
配当要求終期の公告から、約2か月後に、競売期間入札通知が届きます。
競売期間入札通知は、競売の入札期間が決定した旨を通知するもので、入札期間や開札日、売却基準価格などが記載されています。
6.不動産競売情報サイトに公開
競売期間入札通知がされた約1,2か月後に、執行官や不動産鑑定士が調査した結果が、不動産競売情報サイトに公開されます。
不動産競売情報サイトは、家庭裁判所が運営しているホームページで、通称「BIT」と呼ばれています。
BITに公開され、約2週間後に入札開始となります。
入札期間は、競売期間入札通知に記載されている期間で、2週間から1か月となります。
7.開札と売却許可決定
入札期間に入札された結果を、開札日に裁判所で発表されます。
最高額で入札した落札者の審査後に、売却許可決定がなされ、購入者が決定します。
購入者は代金納付期限までに、購入代金を納付する必要があります。
8.引渡し
購入者への売却許可決定がされたら、約1か月後に引渡し期日を迎えます。
それまでに、不動産から退去する必要があります。
<競売のメリット>
では、債務者や不動産の所有者にとって、競売をされるメリットはあるのでしょうか?
・手間がかからない
不動産の競売は、裁判所が法律に従い行います。
所有者が何か手続きを行う必要はなく、任意売却とは違い不動産会社に仲介手数料を支払う必要もありません。
・引渡しまで半年ほど猶予がある
競売は、法律に従い、順序立てて執行されます。
それぞれの手順事に1か月ほどかかり、債権者の競売申し立てから引渡しまで半年ほど時間の猶予ができます。
その間に、競売を回避する方法を考えたり、転居先を探したりすることができます。
競売を回避する場合、開札日前日までに債権者が競売の申し立てを取り下げる必要があります。
<競売のデメリット>
・個人情報が晒される
執行官と不動産鑑定士の現況調査の結果は、インターネットに公開されます。
室内の写真を何枚もインターネットに公開され、不動産の権利関係なども詳しく公開されます。
生活している自宅の場合でも公開され、誰でも見ることができます。
また、落札検討者が周辺住民に、競売不動産について聞き取り調査を行うため、周辺住民の方に競売になっている事実が知れ渡る可能性があります。
・売却代金が安くなる可能性がある
最近では、一般の落札者も多く入札しており、以前と比較して落札価格は上がった印象がありますが、それでも一般市場よりも落札価格が低いことが多いです。
落札価格が低いと、その分多くの負債が残ることになるので競売はできるだけ避けた方が良いでしょう。
・所有者の意思が全く反映されない
競売は、法律の手順に従い粛々と行われます。
そこに、不動産の所有者や債務者の意思は一切反映されません。
<競売にならないために>
競売は、住宅ローンなどの返済が滞って4,5か月経過すると、債権者が申し立てを行い、競売が開始されます。
住宅ローンの返済が厳しくなったら、早めに弁護士や任意売却に詳しい不動産会社に相談しましょう。
早めに金融機関と相談することにより、余裕を持って任意売却を行える可能性があります。
<まとめ>
住宅ローンなどの返済が滞ったまま放置していると、4,5か月後には確実に債権者は競売の申し立てを行います。
競売になると、所有者の意思は全く反映されず、予想より低い売却価格で売却しなければならなかったり、競売の情報が一般に広く公開されたりとデメリットが非常に大きいので、なんとか回避することをおすすめいたします。
ながろ不動産では、過去に行った任意売却の経験を活かし、金融機関との相談や早期売却の方法をご提案いたします。
愛媛県内、松山市、東温市、伊予市、伊予郡松前町、伊予郡砥部町にお住まいの方で、住宅ローンの返済が不安に思っている方、お早めに一度ながろ不動産までご相談ください。
不動産についてのご相談は、いつでも無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせは、「お問い合わせフォーム」まで!
----------------------------------------------------------------------
<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394
松山市で安全な土地取引を支援
松山市の適切な戸建て売却
松山市の効率的なマンション取引
----------------------------------------------------------------------