収益物件として売る?賃貸中の不動産の売却方法
2024/05/142024/05/14
住まなくなった不動産を売却しようか、賃貸に出そうか迷っている方。
賃貸中の不動産の売却を検討されている方。
このような方に向けて、賃貸中の不動産の売却方法、注意点などを解説します。
<賃貸不動産と一般不動産の違い>
賃貸不動産を売却する場合、一般の住宅とは違い「収益物件」として売却します。
一般の住宅の多くは、購入者が購入後に使用するために購入しますが、収益物件の場合は、購入した不動産は賃貸中のため使用することができません。
その為、収益物件は、不動産の家賃収入から収益を得ることを目的として購入されます。
収益物件の査定方法は、一般的に収益還元法が用いられます。
収益還元法とは、収益物件から将来1年間で得られる家賃収入を、還元利回りで割ることにより、不動産価格を算出する方法です。
一般的な不動産の査定方法とは異なるため、不動産価格と収益還元法で算出された不動産価格では乖離が生じることがあります。
ファミリータイプの区分所有建物(分譲マンション)や一戸建ての場合、収益還元法で算出した不動産価格が相場よりかなり安くなることもあります。
このような場合は、収益物件として売却するよりも、賃貸契約をしていない一般不動産として売却した方が高く売れることとなります。
<賃貸物件の売却方法>
賃貸不動産を売却する場合、賃借人が利用しているため、建物の内覧は行いません。
利回り、不動産の管理状況、築年数、不動産の価値など総合的に判断し、購入者は購入を検討します。
不動産の引渡し後は、売主が賃借人と結んだ賃貸借契約が買主に引き継がれます。
賃貸不動産の売却には、賃借人の同意などは必要ありません。
賃貸不動産の管理を管理会社に委託している場合は、事前に管理会社に不動産売却する旨伝えておきましょう。
<一戸建て・区分所有建物の場合はまず賃借人へ打診>
賃貸中の一戸建てや区分所有建物の売却を検討している場合は、まず賃借人に買取りの打診を行いましょう。
賃借人の買取の場合、購入後も引き続き利用できることから、収益物件としてではなく、一般的な不動産としての売却が可能だからです。
収益還元法での不動産価格ではなく、一般的な不動産価格での売却が可能です。
<売却したい時に売却できるために>
将来、売却する可能性のある不動産を賃貸に出す場合には、借地借家法を理解して賃貸借契約を結びましょう。
借地借家法では、一般的な普通借家契約の場合、借主保護の観点から、貸主からの解約は正当な事由がなければ認められないことになっています。
また、契約期間が2年間と定められていたとしても、期間満了後は借主が更新を希望すれば、同条件で期間が延長され、貸主からの更新の拒絶はできません。
「賃貸中の物件を売却したいから、賃貸借契約を解約したい」は、正当な事由にあたらないのです。
将来、利用したり売却する可能性のある不動産を賃貸に出す場合は、定期借家契約を結ぶことも検討しましょう。
定期借家契約とは、契約時に定めた契約期間が満了すると、契約は更新されず借主は退去する必要があります。(ただし、貸主、借主双方で合意すれば、再度同条件で契約することは可能です。)
定期借家契約は更新ができないため、家賃は相場より安くなる場合が多く、入居者探しも時間がかかる場合がありますが、契約期間が過ぎれば契約が終了するため安心して貸し出すことが可能です。
契約期間の終了を待って、不動産を売却することができます。
ちなみに、月極駐車場などで不動産を貸しだしている場合については、借地借家法は適用されず、貸主からの解約は正当な事由は必要ありません。
<まとめ>
賃貸中の不動産の価格は、還元利回りで決まると言っても過言ではありません。
価値のある不動産であっても、利回りが低ければ売却は難しくなります。
将来、不動産を売却するかもしれない方や、利用するかもしれない方は、きちんと借地借家法を理解し、賃貸借契約を結びましょう。
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<この記事の執筆者>
株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号
代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)
宅地建物取引士
行政書士(愛媛県行政書士会所属)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
不動産業界歴10年以上
電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394
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