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不動産売買契約後の契約解除について|不動産売却豆知識(第53回)

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不動産売買契約後の契約解除について|不動産売却豆知識(第53回)

不動産売買契約後の契約解除について|不動産売却豆知識(第53回)

2024/06/132024/06/13

不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。

本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。

不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第53回!

 

今回は、不動産売買契約を締結後、どうしても契約を解除しなければならなくなった場合の契約解除方法と注意点を解説します。

 

<1.手付解除>

不動産売買契約時には、買主から売主に手付金を支払う必要があります。

この手付金は、売買契約書内で特段の定めがない限り「解約手付」と推定されます。

これは、民法557条に「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる」と明文化されているためです。

 

解約手付に従った解除のことを「手付解除」といいます。

買主が手付解除をする場合、既に支払った手付金を放棄することで契約を解除できます。

売主が手付解除をする場合、受け取った手付金の倍額を支払う(受け取った手付金を返金して、手付金同額を支払う)ことで契約を解除できます。

 

不動産売買契約書では、手付金の額と手付解除をできる期間(手付解除期日)をあらかじめ設定します。

契約ごとに手付金の額や手付解除期日は異なります。

手付金の額については、売買代金の1割程度

手付解除期日は、契約後おおむね1週間から2週間の日に設定する場合が多いでしょう。

 

<2.契約違反による解除>

不動産売買契約は、当事者双方の合意内容を法的に強制するものです。

その合意内容を一方的に解約する場合には、契約違反による解除(違約解除)となります。

手付解除期日内であれば、一方的に契約解除する場合でも手付解除となりますが、手付解除期日を過ぎた場合の契約解除は、違約解除となります。

 

不動産の売買契約の場合は、あらかじめ違約金の額を設定します。

違約金の額は、手付金の額より多い金額を設定されることが多く、売買代金の2割程度になることが多いでしょう。

違約金の額と手付金を同額に設定してしまうと、手付解除期日を設定する意味がなくなってしまうからです。

あらかじめ違約金の額を設定することにより、違約解除をする際の損害額の証明をすることなく違約金を請求することができます。

しかし、契約解除をされた場合に、実際の損害が違約金の額を上回る場合であっても、設定された違約金以上の損害賠償請求をすることはできません。

また、損害が違約金の額を下回った場合でも、設定された違約金の額を請求することができます。

 

違約解除について示されている「公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会の契約書の条文」をご紹介します。

(契約違反による解除)
1 売主又は買主は、相手方がこの契約に定める債務を履行しないとき、自己の債務の履行を提供し、かつ、相当の期間を定めて催告したうえ、この契約を解除することができる。
2 前項の契約解除がなされた場合、売主又は買主は、相手方に標記の違約金(F)を請求することができる。ただし、債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして相手方の責めに帰することができない事由によるものであるときは、違約金の請求はできないものとする。
3 前項の違約金に関しては、現に生じた損害額の多寡を問わず、相手方に増減を請求することはできないものとする。
4 違約金の支払いは、次のとおり、遅滞なくこれを行う。
① 売主の債務不履行により買主が解除したときは、売主は、受領済の金員に違約金を付加した額を無利息で買主に支払う。
② 買主の債務不履行により売主が解除したときは、売主は、受領済の金員から違約金を控除した残額を無利息で買主に返還する。この場合において、違約金の額が支払済の金員を上回るときは、買主は、売主にその差額を支払うものとする。
5 買主が本物件の所有権移転登記を受け、又は本物件の引渡しを受けているときは、前項の支払いを受けるのと引換えに、その登記の抹消登記手続き、又は本物件の返還をしなければならない。
6 本条の規定は、第19条に定める契約不適合による契約の解除には適用されないものとする。

 

<その他契約解除>

買主が、住宅ローンなどの不動産を購入するにあたり、金融機関の融資を受ける場合に設定される「ローン特約による解除」は、違約金等は発生せず白紙解除となります。

白紙解除となった場合には、売主は受領している手付金を返金する必要があります。

また、不動産売買契約書の特約条項では、ローン特約とは別に様々な解除条件が設定される場合があります。

・境界確定が不調であった場合の特約解除

・更地解体渡しの場合の解体時アスベスト含有が認められた場合の特約解除

・買主の開発許可が得られなかった場合の特約解除 など

基本的に特約解除は、白紙解除です。

契約書の特約に、契約解除に関する記述がある場合には内容をきちんと確認し契約するようにしましょう。

 

<契約解除した場合の仲介手数料について>

 

ローン特約や特約条項で設定された白紙解除の場合は、仲介手数料の支払い義務は発生しません。

しかし、手付解除や違約解除の場合、仲介手数料の支払い義務が発生するので注意が必要です。

手付金や違約金の額を低く設定していた場合、契約を解除されたのに手付金や違約金の額より多くの仲介手数料を支払う必要が出てくる場合もありますので、手付金の額など設定には注意してください。

手付金の額については、「不動産売却時の手付金の設定について」にて解説しておりますので、あわせてご参照ください。

 

<まとめ>

不動産売買契約後に契約を解除しなければならない場合や、解除される場合もあります。

契約締結の段階で仲介手数料の支払い義務が発生するので、手付金の額などを設定する場合には仲介手数料の支払いも考慮に入れたうえで、設定するようにしましょう。

 

今回は、不動産売買契約後の契約解除について解説しましたが、その他の不動産売却時のキャンセルについては、「不動産売却ってキャンセルできる?キャンセル費用は?」にて解説しておりますので、ご参照ください。

 

ながろ不動産では、愛媛県内、松山市、伊予市、東温市、伊予郡松前町、伊予郡砥部町の不動産売却を行っております。

不動産についてのご相談やお困りごとがございましたら、一度お気軽にお問い合わせください。

 

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<この記事の執筆者>

株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号

代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)

宅地建物取引士

行政書士(愛媛県行政書士会所属)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

不動産業界歴10年以上

電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394


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