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共有不動産の売却方法解説!共有者が所在不明の場合は?|不動産売却豆知識(第62回)

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共有不動産の売却方法解説!共有者が所在不明の場合は?|不動産売却豆知識(第62回)

共有不動産の売却方法解説!共有者が所在不明の場合は?|不動産売却豆知識(第62回)

2024/07/092024/07/09

不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。

本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。

不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第62回!

 

今回は、共有不動産を売却したいが、共有者が行方不明の場合の売却方法を解説します。

 

<共有不動産とは>

共有不動産とは、複数人で所有している不動産のことをいいます。

不動産を相続する際に、複数人で一つの不動産を相続した場合や、住宅を夫婦でダブルローンを組んで購入した場合など、様々な原因で不動産が共有となることが多くあります。

 

共有不動産を売却する場合には、共有者全員の同意が必要となります。

不動産売却の現場では、共有者全員が売主になることが原則です。

ただし、自身の共有持分の売却であれば、共有者の同意は必要なく、自由に第三者に売却することができます。

 

共有不動産については、「共有名義の不動産とは?不動産売却・不動産賃貸はできる?」にて解説しておりますので、ご参照ください。

 

<共有者が所在不明の不動産を売却する方法>

上でも解説している通り、不動産の共有持分の売却であれば、共有者の同意が必要なく自由に売却できるため、共有者が所在不明であっても行うことができます。

しかし、実際には共有持分の売却先としては、共有不動産買取の専門業者などに限定され、売却で得ることのできる代金は非常に少ないものとなります。

 

そこで、令和3年の民法改正にて、裁判所に申し立てをした共有者に、所在等不明共有者の不動産持分を譲渡する権限を付与する制度が創設されました。(民法262条の3)

この制度は、不動産が共有になっている場合に、共有者が他の共有者の所在を知ることができない場合や、他の共有者が誰かわからない場合などに、裁判所に申し立てをすることにより、共有者に所在等不明共有者の持分を第三者に譲渡する権限を付与する制度です。

申し立てには、以下の要件があります。

【要件】

1.共有者を知ることができない、またはその所在を知ることができない。

「共有者を知ることができない、その所在を知ることができない」とは、必要な調査を行ったにもかかわらず、共有者の氏名、所在がわからない場合をいいます。

 

2.不明共有者以外の所有者(共有者)が、特定の第三者に共有不動産の全部を譲渡(売却)すること。

所在等不明共有者の不動産持分を譲渡する権限は、不明共有者以外の所有者が、共有不動産の全部を特定の第三者に譲渡(売却)することを停止条件としています。

停止条件とは、条件が成就してはじめて効力が発生することをいいます。

 

【例】

A,B,Cの三人が不動産を共有しているが、Aの所在が不明。

Bは、Dに不動産を売却したいと考えているが、Aの所在が不明であるため、裁判所に「所在等不明共有者の不動産持分の譲渡」の申し立てを行い、裁判所から「所在等不明共有者の不動産持分の譲渡」の権限を付与された。

しかし、CはDへの不動産売却を反対した。

「所在等不明共有者の不動産持分を譲渡」は、特定の第三者(D)への譲渡(売却)を停止条件とされているため、その条件が成就せず不動産売却はできないことになります。

 

●関連条文

民法262条の3(e-Govより引用)

不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)以外の共有者の全員が特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。

 

<申し立ての流れ>

・管轄裁判所へ申し立て

不動産の所在地を管轄する裁判所に申し立てを行います。

 

・異議申し立て期間

裁判所は、共有者から「所在等不明共有者の不動産持分の譲渡」の申し立てがあった旨、公告を行います。

公告期間は、3ヶ月を下回らない期間で設定されます。

 

・供託

裁判所は、申し立てを行った共有者に、所在等不明共有者のために、裁判所が定める金額を供託することを命じます。

申し立てを行った共有者が、納付期限内に、供託所に供託金を納めなかった場合は申し立てが却下されます。

 

・所在等不明共有者の不動産持分を譲渡する権限の付与

裁判者は、共有者が所在等不明であると認定し、申し立てを行った共有者が供託金を納めると、所在等不明共有者の不動産持分を譲渡する権限の付与の裁判を行います。

この裁判は、2週間の即時抗告期間が過ぎると確定し、これにより申し立てを行った共有者は、「所在等不明共有者の不動産持分を譲渡する権限」を取得します。

 

<権限の効力>

所在等不明共有者の不動産持分を譲渡する権限は、権限が付与されてから2ヶ月以内に、特定の第三者に共有不動産全部を譲渡しなかった場合、効力を失います。

 

<所在等不明共有者の保護>

所在等不明共有者は、上記権限により自身の持分を第三者に譲渡された場合には、譲渡を行った共有者に対し、不動産の時価相当額を譲渡された持分の応じて按分して得た額の支払い請求権を得ます。

 

 

<まとめ>

共有不動産を売却したいけど、「共有者が誰かわからない」、「共有者の所在が不明である」場合にも、不動産全体を売却する制度が創設されました。

 

ながろ不動産では、愛媛県、松山市、東温市、伊予市、伊予郡砥部町、伊予郡松前町にて不動産売却を行っております。

共有不動産の共有者が不明でお困りの場合など、一度ご相談ください。

不動産売却以外にも、不動産全般のお困りごとやご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

ご相談は、いつでも無料です。

 

お問い合わせは、「お問い合わせフォーム」まで!

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<この記事の執筆者>

株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号

代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)

宅地建物取引士

行政書士(愛媛県行政書士会所属)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

不動産業界歴10年以上

電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394


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