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解体更地渡しの特約条文例|不動産売却豆知識(第45回)

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解体更地渡しの特約条文例|不動産売却豆知識(第45回)

解体更地渡しの特約条文例|不動産売却豆知識(第45回)

2024/05/09

不動産には専門的な知識や用語が多く、一般のお客様には特にわかりにくいと思います。

本ブログ内では、「不動産売却豆知識」シリーズとして、不動産取引に役立つ豆知識を解説します。

不動産取引に役立つ豆知識を解説していく不定期更新シリーズの第45回!

 

今回は、売主負担で、建物を解体し更地にして引渡す(解体更地渡し)条件で、契約する際の契約書の特約の条文例をご紹介します。

 

<解体更地渡しとは>

 

旧耐震(昭和56年6月1日以前に建築された建物)の建物や、築年数が経過した古家が建っている土地を売却する際、売買契約後に売主負担で解体し、更地で土地を引渡す契約条件を「解体更地渡し」といいます。

建物の解体から滅失登記まで売主負担で行う必要があります。

滅失登記については、「滅失登記とは?どんな時に必要?」にて解説しておりますので、あわせてご参照ください。

 

土地の需要が高いエリアの不動産売却手法として多く使われており、購入者が引渡し後すぐに建築が開始できることから、契約条件として頻繁に希望されます。

売主としても、自ら更地にすることで解体費などはかかりますが、土地の相場で売却することができ、値段の無茶な値引き交渉を避けることができます。

また、相続不動産の3000万円控除を利用する場合、3年以内の売却と建物の解体(または耐震化)が控除を利用する条件となっているため、相続不動産の場合は今後、多く「解体更地渡し」を条件とした不動産売買契約が行われることが想定されます。

相続不動産の3,000万円控除については、「不動産相続後の空き家対策!相続不動産売却時の3,000万円控除のポイント」をご参照ください。

 

<注意するポイント>

 

・どこまで解体するかを明確に決める。

解体更地渡しを行う上で、どこまで解体するかを明確に契約時に取り決めしておくことが重要です。

いざ解体し、引渡ししたが買主が想定していた解体と違うとトラブルになる可能性があります。

敷地の外壁ブロック塀やフェンス、外壁ブロック塀の基礎、水道管や浄化槽などは撤去するか明確に決めておきましょう。

 

・アスベスト含有のリスクヘッジ

現在、建物を解体する際には、アスベスト含有調査が義務付けられています。

アスベスト含有調査をした結果、アスベストの含有が認められた場合、建物解体費とは別にアスベスト除去費用が必要になります。

アスベスト除去費用はとても高額なため、売却で得る金額が想定よりかなり少なくなる可能性があります。

アスベスト含有調査の結果次第では、契約を白紙解除できる特約を付けておくことで、アスベスト除去費用の見積もりを確認したあとで、契約を履行するか解除するか判断することができます。

 

・引渡しは長めに設定する

売買契約後に建物の解体工事を行います。

解体工事には数週間から1カ月、解体工事後の滅失登記に約2週間かかります。

余裕を持った引渡し期日を設定する必要があります。

最短でも2カ月以上の引渡しの期間を設定しましょう。

 

<特約条文例>

 

弊社が実際に解体更地渡しの際に記載している特約の条文をご紹介します。

ご参考にしてください。

 

1.売主は、自己の責任と負担において、本物件上に存する工作物(外構ブロック塀の基礎及び本物件南側隣接地とのブロック塀は除く)、立ち木等を本物件引渡し時までに撤去し、かつ既存建物の滅失登記を完了すること。

※残す工作物を具体的に記載しています。

 

2.上記建物解体工事に先立ち行う石綿含有物検査にて、本物件土地上に存する建物に石綿が使用され、本契約時に想定されている建物解体費用にて建物の解体工事が行えない場合、売主は本契約を解除することができること。尚、本解除を行う場合、売主は買主に対し、石綿含有物検査の結果の証明書等を買主に提出すること。

※アスベスト含有が認められた場合、売主が契約を白紙解約することができるように記載しています。

 

3.前項記載の検査は買主の融資承認の通知が売主に到達後2週間以内に行うものとし、前項記載の本契約解除期日は〇月〇日とすること。

※買主の融資承認が金融機関から出た後、2週間以内に売主はアスベスト含有調査を行うことを義務付けています。また、アスベスト含有調査の結果に伴う契約解除の期日を明確に決めています。

 

4.前第2項によって、本契約が解除された場合、売主は、受領済みの金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならないこと。同時に本物件の売買を媒介した宅地建物取引業者も受領済みの報酬をそれぞれ売主・買主に無利息にて返還しなければならないこと。

 

 

<まとめ>

 

今後、とくに相続された不動産を売却する場合には、売主負担での解体更地渡しが多くなると想定されます。

契約書の特約条項にしっかり必要な項目を明記することで安心した不動産売却が可能になります。

不動産会社の作成する契約書には、その会社や担当者の経験やスタンスが反映されます。

不動産会社任せにせず、契約書の条文などは契約前に、ご自身のリスクを回避できる条文になっているか、しっかり確認するようにしましょう。

 

ながろ不動産では、愛媛県内、松山市、伊予市、東温市、伊予郡松前町、伊予郡砥部町の不動産売却を行っております。

売主様が安心してお取引できるよう心がけております。

不動産についてのご相談やお困りごとがございましたら、一度お気軽にお問い合わせください。

 

 お問い合わせは、「お問い合わせフォーム」まで!

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<この記事の執筆者>

株式会社ながろ不動産
愛媛県松山市本町6-6-7 ロータリー本町306号

代表取締役 長櫓 陽光(ながろ ようこう)

宅地建物取引士

行政書士(愛媛県行政書士会所属)

2級ファイナンシャルプランニング技能士

不動産業界歴10年以上

電話番号 : 089-994-6393
FAX番号 : 089-994-6394


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